今回は外壁塗装の役割に関してお話します。
高いリフォームコストが掛かる外壁塗装ですが、その役割や必要性とはどのようなものなのでしょうか。
この機会にぜひ外壁塗装の概要や塗装の工程、外壁塗装に適した時期についても確認しておきましょう。
1.外壁塗装の役割
それではまず、外壁塗装の役割について説明していきます。主なものとしては下記の4つが挙げられます。
① 耐久性を良くする
② 美観を向上させる
③ 防水性を回復させる
④ 機能性を付加する
順番に解説していきますので、ぜひご覧になってみて下さい。
役割1. 耐久性を良くする
まずは、外壁塗装は耐久性を良くするという役割があります。
そのため、外壁塗装は定期的に行うことが肝心です。
外壁材には様々な種類の外壁材がありますが、いずれも太陽の紫外線や雨風、
さらにはコケや藻の繁殖などにより徐々に傷んできます。
さらに、新築時の外壁材に施工された外壁塗料も、徐々に劣化してきますので、
外壁を保護し住宅を守るためにも、耐久性を良くする外壁塗装は必要なのです。
役割2. 美観を向上させる
外壁材は経年劣化で塗料が剥がれてきますと、色褪せが起きてきます。
そうなりますと、外観も次第に見栄えが悪くなってきます。
そのため、外壁塗装により新しい塗料を施行すれば、新築時のようなキレイな外観を取り戻すことが可能になります。
また、外壁塗装で防カビ・防藻性のある塗料で塗り替えを行えば、より長く美観を維持できる効果もあります。
役割3. 防水性を回復させる
外壁塗料は経年劣化でチョーキング(白亜化)現象という劣化が発生し、塗料中の顔料が噴き出し防水性が落ちてきます。
そこで、外壁塗装を行うことにより再度、防水のための塗膜を形成し、
外壁材や下地の防水効果を改善、傷みを抑制することができます。
役割4. 機能性を付加する
外壁塗装で使用する塗料は様々な機能が付いたものがあります。
役割2.で説明した防カビ・防藻性のある塗料もその一つです。
その他にも防水機能のある弾性塗料や、夏の暑さや日差しによる室温上昇などを軽減する遮熱・断熱性能がある塗料もあります。
また、セルフクリーニング効果がある塗料もありますので、
そうした外壁塗料を使用すれば、様々な機能を外壁に付加することが可能です。
2.外壁塗装をしないとどうなるか?
外壁塗装で得られる効果は、様々なものがあるということが分かりました。
それでは、今度は外壁塗装を行わないことで発生する危険性などについて、ご説明していきたいと思います。
主には下記の3つの様なリスクがあります。
① 建物の耐用年数が低下し劣化が早まる
② 雨漏りなどの不具合が発生
③ 塗装では補修できずリフォームコストが増大する
こちらも順に見ていきましょう。
① 建物の耐用年数が低下し劣化が早まる
最初に建物の耐用年数が著しく低下してしまうというリスクです。
建物は常に太陽からの紫外線や雨風に晒されているため、外壁も劣化し経年劣化でボロボロになってきてしまいます。
そのため、外壁を保護するため定期的に外壁塗装を行いませんと、
外壁にひび割れや色褪せ、塗膜の剥がれや藻やコケの付着が発生します。
このような劣化は放置しますと、住宅自体の耐用年数が低下し、
寿命も短くなってしまいますので、外壁塗装で対策する必要があります。
② 雨漏りなどの不具合が発生
こちらも前項で説明した内容と似ていますが、外壁に起きるひび割れや色褪せで、
雨漏りも同時に起きやすくなってきてしまいます。
雨漏りというと屋根が原因と思われる方も多いかもしれませんが、
実は外壁も雨漏りの原因としては多いのが実情です。
そのため、外壁塗装によりひび割れや防水性の低下を防ぎませんと、
雨漏りなどでさらに建物の劣化が進んでしまうおそれがあります。
③ 塗装では補えない補修によりコストが増大
さらに大きな問題として、外壁塗装を行わないことで傷みが酷くなり、塗装では補修できず、修繕コストが高くなるリスクがあります。
酷くなりますと外壁下地の木材の腐食、金属のサビで壁に穴が空き、
塗装では補修できず外壁の張り替えなどが必要になってきます。
塗装よりも遥かに高額な補修費用が掛かりますので、早めに外壁塗装を行い、大きな劣化を防ぐことが大切です。
外壁塗装を行わないことでこうした様々なリスクが発生し、想定外の大きな出費を被ることがありますので、注意しましょう。
3.外壁塗装の主な工程
続いては外壁塗装の工程に関して大まかにお伝えいたします。
どのような作業や工事があるか把握しておくと良いでしょう。
① 足場設置・養生
外壁塗装の工程はまず足場設置・養生作業を行います。
足場は高所で安全に職人が作業するため、養生は塗料の飛散を防ぐために行います。
② 高圧洗浄
足場を設置しましたら高圧洗浄で、既存外壁の汚れやカビなどを落とします。
新しい塗料の密着を良くするためにも、洗浄の作業は必須になります。
③ 下地補修
ひび割れた外壁、目地コーキングの破損などがあれば補修を行います。
こうした下地の補修を行ってから塗装をしませんと、後々の不具合にも繋がります。
④ 外壁塗装(下塗り)
まずは密着効果のある下塗り材を外壁に施工して外壁塗装は開始します。
下塗りには密着性を高める他、塗りムラなどを防いでくれる効果もあります。
⑤ 外壁塗装(中塗り・上塗り)
下塗りが完了し乾燥しましたら、中塗り塗料と上塗り塗料を施工していきます。
様々な効果・性能の塗料がありますので、目的に合った塗料を選ぶと良いでしょう。
⑥ 点検や見直し
塗装が終わりましたら外壁を再度確認し、塗り残しやムラがないか点検します。
何か不具合があればこの時点で、再塗装や補修などを相談します。
⑦ 片付け・足場解体
点検し問題がなければ足場を片付け、ゴミなどを清掃しキレイにします。
上記が大体の外壁塗装の流れになります。
屋根工事や付帯部塗装工事などがありますと、追加してさらに工事がありますが、
基本的には洗浄・補修→塗装→点検などの流れと同じになります。
4.外壁塗料の種類
外壁塗装においては、どのような塗料があるかを把握しておくことも大事です。
目的や施工する場所にも考慮して、最適な塗料を選ぶようにしましょう。
今回は主要な外壁塗料の種類についてご紹介していきますので、リフォーム時にはぜひ参考にしてみて下さい。
一方、「断熱」は太陽光の熱伝導を抑え、温度上昇を抑制します。
言葉としては似ていますが、冬の寒さ対策にもなるのは断熱塗料ですので、その点も踏まえて塗料を選ぶと良いでしょう。
① アクリル塗料 耐用年数:5年~7年程度
様々な外壁塗料の中でも価格が最も安い部類の塗料になります。ただし、その分耐久性が低いというデメリットもあります。
② ウレタン塗料 耐用年数:8年~10年程度
木部の箇所や金属部分などの幅広い場所で施工が可能な塗料です。
施工性は良いですが、他の外壁塗料と比べるとやや耐久性が低いです。
③ シリコン塗料 耐用年数:7年~15年程度
現在の外壁塗装において主流となっている塗料になります。
ウレタン塗料よりも耐久性や耐水性が高いのが特徴となります。
④ フッ素塗料 耐用年数:15年~20年程度
非常に耐久性が高い塗料で、その分費用は掛かりますが機能性もあります。
汚れにくく光沢感があるのが特徴の塗料です。
⑤ ラジカル塗料 耐用年数:7年~15年程度
最近になって開発が進んでいる、塗料自体の劣化を低減させる機能を持った塗料です。
耐用年数も比較的長く、コストパフォーマンスにも優れているメリットがあります。
⑥ 光触媒塗料 耐用年数:16年~20年程度
抗菌作用があるため防汚性があり、空気清浄効果もあると言われています。
耐用年数も比較的長いですが、価格が高いというデメリットもあります。
⑦ 無機塗料 耐用年数:20年~30年程度
劣化の原因である有機物の量が少ないため、耐用年数が長い塗料になります。
価格は高いですが、セルフクリーニング効果や変色も起こしにくい性質があります。
5.外壁塗装の時期の目安
次に外壁塗装を行う上で適切なタイミングや時期についてお話します。
外壁にどういった劣化現象が起きたら塗装すれば良いか把握しておきましょう。
① 褪色・変色などが起きている
太陽光の紫外線の影響などにより塗料が劣化し、褪色や変色を起こします。
新築時や前回の塗装時から明らかに色が変わってしまった場合には、
塗料の防水性が落ちてきていますので、早めに外壁塗装をしましょう。
② ひび割れが発生している
主にモルタル外壁などに多い劣化現象になります。原因としては近年多い地震、
そして外壁塗料の劣化により壁が雨水などを吸収しやすくなり、膨張・収縮をすることでひび割れが発生します。
③ 藻やコケ、カビなどが繁殖している
湿気の多い箇所や建物の日かげの部分などに発生しやすいです。
また、畑や森などが周りに多い地域ですと、植物の胞子などが外壁に付着し、コケなどが繁殖してしまうことが多いです。
④ チョーキング現象が出ている
塗料が日光に晒されることで顔料が粉状になってふき出す劣化現象です。
防水性が落ちてきている証拠ですので、雨漏りを起こす前に塗装が必要です。
⑤ シーリングにひび割れ・剥離が起きている
主にサッシ周りやサイディング外壁の目地部分の劣化現象です。
隙間から雨水が浸透しますと雨漏りが発生しますので、こちらも打ち替えなどを行い補修後、外壁塗装を行うのが望ましいです。
⑥ サビが発生している
サビは主に金属サイディングや窓の格子部分、水切りに発生しやすいです。
放置しますとボロボロになりますので、サビ止めなどを施工した後に、塗装などを行い補修すると良いでしょう。
まとめ
その他、外壁塗装は季節によっても塗装に適した時期が変わります。
一般的には春や秋などは気候も安定しているため塗装には向いています。
但し、この時期は塗装の需要も多いため、業者になかなか対応してもらえないなどのケースもあるため、一概におすすめとは言えません。
逆に冬場などの塗装ですと、外壁塗料の乾燥はしにくいデメリットはありますが、
一方で世間的には塗装の需要が少ないため、交渉すれば価格を安くしてもらえるかもしれません。
以上、外壁塗装についての役割や必要性、そして具体的な工事や塗装の時期などの概要に関しての説明でした。
ぜひこれらの情報を参考にして、適切なリフォームを行ってみて下さい。