坂下リライフ

知らないと損する外壁塗装での塗料の選び方のポイント

今回は外壁塗装をする前に知っておきたい塗料の選び方のポイントについて解説していきます。

外壁塗装は前もってどのような塗料があるか、
既存の外壁やお住いの地域・目的によって、塗料を選ぶ必要があります。

後々、不具合が起きて「こんなはずじゃなかったのに…」と後悔しないためにも、
基本的な外壁塗装の塗料の選び方は学んでおきましょう。

ポイント➀ 外壁の種類を把握する

まず外壁塗装の塗料の選び方を知る前に、実はご自宅などの外壁の種類も把握しておいた方が良いです。

なぜかと言いますと、外壁によって使用できる塗料が変わってくるためです。

そこで、最初に主な外壁の種類と、その外壁に合った塗料の種類などについて解説していきたいと思います。

1.モルタル外壁

まずはモルタル外壁からです。モルタル外壁は特徴として凹凸が表面上にあり、
頑丈で意匠性も高かったことから、多くの家庭でも取り入れられました。

しかしながら、経年劣化で防水性が落ちてきますので、徐々にひび割れやチョーキング現象(白亜化)が起きてきます。

近年では頻発する地震で割れが起きることも多いですね。

ひび割れが起きてしまいますと、外壁内部に雨水などが浸透しますので、
早めに塗装などを行い補修することが大切です。

どのような塗料が適しているか?

モルタル外壁には防水塗料や弾性塗料などがおすすめです。

弾性塗料は伸縮性がある塗料で、ひび割れが起きても塗料が追従し、
ひびの部分を塗膜が覆ってくれますので、多少の雨水でしたら侵入を防げます。

防水塗料も雨水などへの対策として効果的ですので、検討してみて下さい。

2.窯業系サイディング

今現在、外壁材の中では最も多く採用されている外壁材になります。

色や柄なども非常に豊富なバリエーションがありますので、理想の住宅の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。

経年劣化してきますと色褪せやシーリング部分の劣化、
塗膜の剥がれや膨れなどが発生
してきますので、こちらも塗装は必要になります。

どのような塗料が適しているか?

窯業系サイディング及び目地部分のコーキングは、おおよそ10年程度で劣化してきますので、
大体同じ10年程度の耐用年数の塗料がおすすめです。

具体的にはシリコン塗料やフッ素塗料、ラジカル制御型塗料が良いでしょう。

3.金属サイディング

続いてはこちらも近年増えてきた、金属系のサイディング外壁です。

ガルバリウム鋼板という亜鉛やアルミニウムが含まれた頑丈な素材ができたことで、
スタイリッシュで耐久性の高い住宅が多くなっています。

金属サイディングも劣化しますとサビや傷などがつきます。

また、色褪せや塗膜剥がれ、チョーキングも起きますので塗装しましょう。

どのような塗料が適しているか?

金属系サイディングは耐久性が高い外壁材ですので、同様に耐用年数が長い塗料を選ぶと良いでしょう。

具体的にはフッ素塗料、無機塗料、ラジカル制御型の外壁塗料などがおすすめになります。

4.ALC外壁

軽量なコンクリートを主材料として使用した外壁材になります。

耐久性が高く耐震性も良いことが特徴的で、耐火性や遮音性にも優れている点もメリットとして挙げられます。

ただし、ALC外壁は吸水性が高いため、雨の影響を大きく受けてしまいます。

そのため、経年劣化で塗膜の浮き・剥がれや、シーリングの劣化なども発生しますので、
早めに塗装で対策してメンテナンスすることが大切です。

どのような塗料が適しているか?

金属系サイディングは耐久性が高い外壁材ですので、同様に耐用年数が長い塗料を選ぶと良いでしょう。

具体的にはフッ素塗料、無機塗料、ラジカル制御型の外壁塗料などがおすすめになります。

5.タイル外壁

タイルは外壁材の中でも耐久性が最も高い無機質の外壁材になります。

紫外線などによる劣化や、風雨での劣化も起きにくいのが特徴で、
耐水性の高さや砂埃などによる損傷にも強いメリットもあります。

しかしながら、タイル自体の耐久性や防水性は高いとしても、
下地であるモルタルが劣化してくるケースや、目地のコーキングが
傷んでしまうといったケースもありますので注意が必要です。

どのような塗料が適しているか?

タイル外壁は基本的に防水性や耐久性は高いため、塗装によるメンテナンスは必要ありません。

ただし、下地の劣化や割れなどが起こりますので、その場合には補修メンテナンスは必要になります。

見た目や目地コーキングを保護したい場合には、クリアー塗料による塗装などを行う場合もありますので、
外観をキレイに維持したい方は検討してみて下さい。

ポイント➁ 住宅及び周辺環境の把握

続いて外壁塗装の際に覚えておきたい塗料の選び方のポイントは、
住宅形式及び周辺の住環境に応じて塗料を選ぶということです。

地域や環境によって、建物がどのような劣化や損傷の可能性があるのか、
その点を考慮したうえで外壁塗装を行うと、より建物の自体の寿命も長くなります。

ぜひ、下記項目も参考にして最適な塗料を選んでみて下さい。

畑や森などがある場合

まずは周辺に畑や森などが多く存在する場合についてです。

こうした地域では主に外壁にコケや藻などが付着しやすく、雨漏りなどを起こす危険性が高くなります。

また、大きな木や森などに囲まれている場合には、日陰になる部分もありますので、
そうした箇所は湿気がこもりやすく外壁も傷みやすいです。

どのような塗料が適しているか?

以上のことから、畑や森などが多い地域では、防カビや防藻性能がある外壁塗料などを選ぶと良いでしょう。

主なものとしてはフッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料には、
そうした機能が付加されているものもあります。

ぜひ、塗装業者などに確認しチェックしてみて下さい。

マンションやアパートなどの場合

マンションやアパートなども戸建て住宅と同じく、外壁面は劣化しますので、
定期的に塗装などでメンテナンスをする必要があります。

外壁や柱などのひび割れ、コンクリートの欠けやタイルの剥がれが出てきましたら、
早めに塗装などを検討しましょう。

どのような塗料が適しているか?

マンションやアパートなどの外壁塗装の場合には、
できれば高グレードの耐久性の高い外壁塗料が良いでしょう。

予算の都合上、難しいということもあるかもしれませんが、
大規模な住宅は足場代や人件費、手間代もかなり掛かりますので、

できれば頻繁に塗装をする必要がないよう、長寿命の塗料を選ぶ方がお得でしょう。

具体的には無機塗料、フッ素樹脂塗料などの高耐久塗料がおすすめです。

暑い地域にお住まいの場合

続いて暑い地域にお住いの場合の塗料の選び方になります。

近年ではヒートアイランド現象により、都市部でも蒸し暑さを感じることが増えましたので、
暑さ対策のための外壁塗装も有効です。

どのような塗料が適しているか?

こうした地域の場合では、遮熱機能や断熱機能が付加された外壁塗料を使用すると良いでしょう。

外壁への日当たりが良すぎると暑くなりますので、
日光を反射する遮熱塗料、冷房費を節減できる断熱塗料はおすすめです。

こちらも塗装業者に確認、パンフレットなどで探してみて下さい。

ポイント③ 外壁塗料の把握

外壁塗装の塗料を選ぶ際に確認しておきたい最後のポイントは、
外壁塗料自体の性能や性質についてです。

これを知らないことには外壁塗装のリフォームは成功しませんので、ぜひ概要は確認しておくと良いでしょう。

耐用年数・価格

まず最初は外壁塗料の耐用年数についてです。施工する外壁面の寿命なども考慮して決めることが良いですが、
基本的には耐用年数が長く、コストもそれほど高くないものが良いでしょう。

主な外壁塗料の耐用年数と価格について、目安となる数字をまとめましたので、
ぜひこちらを参考にして外壁リフォームを検討してみてください。

① アクリル塗料 価格:1,000~1,800円/㎡ 耐用年数:3~7年

② ウレタン塗料 価格:1,800~2,500円/㎡ 耐用年数:5~10年

③ シリコン塗料 価格:2,200~3,600円/㎡ 耐用年数:7~15年

④ フッ素塗料   価格:2,000~5,000円/㎡ 耐用年数:12~20年

⑤ 無機塗料     価格:3,500~5,600円/㎡ 耐用年数:10~25年

機能性や効果

続いて外壁塗料を選ぶ際に見ておきたいポイントとしては、様々な機能や特性があるかどうかです。

例えば汚れなどが雨水などで洗い流されやすい塗料として「セルフクリーニング」の効果が付いているものなどがあります。
また、塗料によってはセラミックを配合しより耐久性を高めたものや、
遮熱・断熱性能を高めたものなどもあります。

また、外壁の藻やコケなどが気になる方には、防カビ・防藻性能のあるもの、
さらに耐火・防火性があるものなど様々な塗料がありますので、

ぜひそうした塗料自体に付加された性能も見て、塗料を選んでみてください。

色合いの確認や艶なし・艶ありの有無

そして最後に塗料選びの際に確認しておきたいこととしては、やはり塗料自体の色合いや艶の確認です。

塗料自体の性能が良くても、色合いがイマイチですとリフォームもしたくないですよね。

特に塗料の色に関しては悩まれる方も多いと思います。

そんな塗料の色を選ぶ際に覚えておいておきたいポイントとしては、
主に下記の様な事項があります。

① 色褪せしやすい色かどうか
→ 原色に近い色(青・赤・緑)は色褪せが起きやすくなります。

② 黒い色は室温が高くなりやすい
→ 黒は熱をためやすく、白は逆に反射しますので室温は上がりにくいです。

③ カラーシュミレーションや色見本を参考にする
→ パソコン上での色合いや色見本などで塗料の色合いを確認できます。
ただし、肉眼で見るものとイメージが違うこともあるため、実際の塗料の色もできれば確認しておくと良いでしょう。

④ 色合いは時間帯や天気によって変化する
→ 曇りの日や夕方は暗く見えますので、その時の見え方も考慮しておくと安心です。

⑤ ご近所の外壁の色合いを参考にすると良い
→ 実際に自分のイメージの色合いに近いご近所の外壁、ネット上の写真などを見つけておいて、
同じ塗料が使えないか塗装業者に相談するのも良いでしょう。

最終的にはプロと相談する

以上、外壁塗装の際に知っておきたい、外壁塗料の選び方についてのポイントでした。

外壁塗装では様々な考慮すべき点がありますので、ぜひこれらを参考にして、
リフォーム会社とも相談しながら外壁塗装を行ってみてください。

プロならではの視点で、思い描いている絵を形にしてくれます。

この記事の作成について

有限会社 坂下リライフ

一般建設業許可証「東京都知事許可(般・1)第150862号」
RECACO加盟 国土交通省 『住宅リフォーム事業者団体登録制度』

創業より外壁塗装・屋根塗装・リフォーム工事3,000件に携わってきました。
その経験を生かして、これから外装工事を検討されている方へ向けて
分かりやすく、正確な情報をお伝えすることを心がけております。
数年に一度の外装工事で失敗して悲しい思いをしない為にも、
是非当サイトのお役立ち情報を参考にしてみて下さい。

執筆:坂下リライフ専属WEBライター/1級建築士
執筆補佐・監修:有限会社坂下リライフ

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