外壁塗装は様々な業者が行っています。
例えば、ハウスメーカー(大手業者)やリフォーム業者、ホームセンター、地元の塗装専門業者などもあります。
そんな数ある業者の中から、どこが良いのか選ぶのも大変ですよね。
そこで、今回は外壁塗装業者を選ぶ時の注意点やポイント、選び方のコツについて見ていきます。
悪質な塗装業者を見分けるようにする
まず、外壁塗装業者を選ぶ時の注意点として覚えておきたいのは、悪質な塗装業者を選ばないようにすることです。
外壁塗装は会社によって施工品質に大きな差があり、トラブルも多く存在します。
そのため、まずは悪質な塗装業者の見分け方を見ていきましょう。
主に下記の様なポイントで見分けることができます。
① 適切な劣化診断をしてから見積もりをしているか
② 素人にもわかる言葉で外壁の状況を説明してくれるか
③ 見積もりが詳細に書かれているか
④ 飛び込み営業・過大な値引き額・急かす契約でないか
⑤ 契約完了後に追加工事を要求してこないか
順番に見ていきましょう。
① 適切な劣化診断をしてから見積もりをしているか
外壁塗装をする前に必ず行うのが既存住宅の劣化診断です。
主には下記の様な劣化がないか確認していきます。
● 外壁のひび割れ
● 色褪せの進行
● 雨漏り
● チョーキング(壁に触れたとき白く粉がつく)、塗膜の剥がれ
● カビ・苔・藻
● シーリング(外壁の繋ぎ目を埋める素材)の割れ
本来ですとこれらの劣化の有無を細かく確認し、診断すると1時間は掛かります。
しかし、悪質な業者は10分程度で確認を終えてしまうこともあります。
また、劣化部分を過剰に伝え不安を煽る業者もいますので注意しましょう。
適当な診断で行った外壁塗装工事は不具合の原因になり、再工事で費用も掛かります。
事前にしっかりと劣化部分を確認して、見積もりをしてくれているか確認しましょう。
また、業者が劣化を過剰に伝え煽る場合には、他の業者にもその劣化を確認してもらい、
相見積もりを取って不必要な工事をしないように対策することもできます。
② 素人にもわかる言葉で外壁の状況を説明してくれるか
外壁塗装には専門用語が多くあります。丁寧な業者は塗装が分からないお客様に対して
分かりやすい言葉や写真を見せて説明し、質問にも明確に答えます。
また、施工内容のメリットだけでなく、デメリットについても説明してくれる業者は信頼性が高いと言えるでしょう。
施工後にトラブルにならないためにも、工事前に不安や疑問を解決してくれる業者を選びましょう。
③ 見積もりが詳細に書かれているか
施工業者から見積もりが出されたら、金額以外の部分もチェックしましょう。
具体的には下記の様な点です。
● 使用する塗料の名前(商品名)、メーカーが記載されているか
● 塗料代(材料費)と工事代(施工費)を別々に記載しているか
● 塗装面積と使用する塗料の缶数が書かれているか
● 一式と表記のあるものはどのような内容なのか
これらの点を見積書からしっかりと確認して、疑問点や不明な箇所があれば 詳細な内容を聞いておくようにしましょう。
④ 飛び込み営業・過大な値引き額・急かす契約でないか
悪質業者の特徴として多いのが飛び込み営業です。具体的に言うと、
「ただいまモニターを募集しておりまして、塗装代金お安くします」
「今すぐご契約頂きますと半額にできます」
というようなことを言ってきます。
このような過剰な値引きしてくる、契約を急かしてくる場合には注意しましょう。
大幅な値引きをしている業者は最初から値引き前提の価格設定の場合が多く、塗装の際に手抜きをしている可能性が高いです。
こういった業者とは契約しない方が良いでしょう。
⑤ 契約完了後に追加工事を要求
塗装工事は劣化の状況によって追加工事が必要になることもあります。
しかし、悪質な業者は追加工事がある可能性を事前に知らせず、工事が始まってから追加料金を提示し価格を吊り上げてきます。
対策としては、契約前に追加工事の可能性を確認しておくことです。
もし、追加工事の可能性がある場合には、概算でもかかる費用を聞いておくと安心です。
契約前であれば他社と比較・検討も可能ですので、追加工事がある場合には、
他社と見積書を見比べて確認しましょう。
塗装業者ごとのメリットやデメリットを把握しておく
① 大手のハウスメーカー
<メリット>
・安心、信頼感は非常に高く、実績が豊富。手厚い保証がされている。
・リフォーム瑕疵保険加入していることが多い。
<デメリット>
・塗装を依頼した場合、多くは下請け業者が実際には塗装を行うため、手数料(中間マージン)が発生して費用が高くなる。
・下請け塗装業者が利益を上げるために費用を抑えようとすることから、
手抜き塗装になってしまう可能性がある。
② リフォーム業者やホームセンター
<メリット>
・外壁以外に直したい箇所があれば一緒に直してもらえるなど融通が効く。
・品質保証がしっかりしている業者が多い。
<デメリット>
・リフォーム会社によっては塗装に詳しくない場合がある。(元々リフォーム専門で外壁塗装はあまり技術がない場合)
・大手やコーナン等のホームセンターの場合、ハウスメーカー同様、
手数料で費用が高くなる場合がある。
③ 地元の外壁塗装業者
<メリット>
・お住まいの地域の気候に合った塗装ができる。
・工事の融通が利く。何かあった場合、すぐに駆けつけてもらえる。
・比較的費用を安くしてもらえる。
<デメリット>
・アフターケアや保証制度の内容の差が激しい。
・業者の廃業、倒産などで保障が受けられない場合がある。
最適な外壁塗装業者を選ぶための具体的なコツとは?
続いては良い外壁塗装業者を選ぶための具体的なコツもご紹介していきます。
具体的には下記の6点があります。
① 相見積もりを取る(即決は絶対にしない)
② 施工実績を確認する(施工後の写真やお客様の声など)
③ 丁寧な対応・分かりやすい説明をしてくれるかチェックする
④ 質問に対して具体的な回答してくれるかを確認する
⑤ 資格保有・許可済みの業者であるか確認する
⑥ アフターフォロー、保証内容等がしっかりしているかを確認する
こちらも順番に確認していきましょう。
① 相見積もりを取る(即決は絶対にしない)
外壁塗装には定価というものがありません。
お客様の家の材質・広さ・環境や業者などによっても見積もりが変わります。
そのため、複数の見積もりをとることによって相場を把握することができます。
見積もりを出してもらう際には、必ずほかの業者にも依頼していることを伝えましょう。
業者も金額を水増しした価格、足元をみた価格を提示できません。
2~3社に見積もりを依頼し比較して決めるのがおすすめです。
② 施工実績を確認する(施工後の写真やお客様の声など)
施工事例やお客様の声(口コミ)は、業者のホームページ、動画などで紹介されています。
優良な業者は具体的にどういった施工内容で、いくらかかったかを公表しています。
過去の施工実績や施工費用を詳細に説明できる業者は良い業者の可能性が高いでしょう。
③ 丁寧な対応・分かりやすい説明をしてくれるかチェックする
説明がいい加減、もしくは専門用語をやたらと使用する営業の場合には要注意です。
お客様が塗装に関して無知なのをいいことに、業者にとって都合の良い提案をする可能性が高いからです。
具体的には下記のような営業社員が良いでしょう。
・分かりやすい説明・丁寧な対応をしてくれる
・現場で気付いたことに対して、迅速な対応や適切な提案をしてくれる
適切な工事を行っていれば、塗装がすぐに剥がれてしまうことはありません。
施工業者には工事の進捗を随時報告してもらえるような体制を取ってもらうと安心です。
④ 質問に対して具体的な回答してくれるかを確認する
お客様は塗装に関して詳しくないことがほとんどです。そのため、分からないことを
質問するのが恥ずかしいと思われる方もいます。
ですが、不明な点は積極的に質問するようにしましょう。
優良な施工業者の場合には、不明点や疑問点を具体的に回答してくれるからです。
悪質業者の場合には、意図的にデメリットを隠すケースが多いため注意しましょう。
⑤ 資格保有・許可済みの業者であるか確認する
外壁塗装の業者にとって重要な資格・許可は2つあります。
それは塗装技能士と建築業(塗装工事業)許可です。
1級塗装技能士(国家資格)は塗装に関する知識、技術をもっていることを
認められた国家資格です。その中でも特に1級塗装技能士は実務7年以上経験がないと受検ができない最難関資格です。
つまり、1級資格の現場管理責任者がいるということは、
経験豊富で知識・技術を持った従業員が塗装を行っていると言えます。
塗装工事業許可は、認可を得るために自治体の厳しい審査(塗装業に関する経験5年以上等)
という高いハードルを通過しなくては取得できません。
持っているだけでかなり信頼できると言えます。
⑥ アフターフォロー、保証内容等がしっかりしているかを確認する
外壁塗装で受けられる保証の種類は主に2つです。
- 自社保証(アフター保険・工事保証と呼ぶ会社もあり)
→ 塗装業者独自の保証で業者によって保証内容は異なります。
注意点として、保証期間が長くても保証の内容は少ないというものもあるため、
内容確認が必須です。トラブル防止のため保証書は必ずもらい保管しましょう。
● 団体または組合の保証(瑕疵(かし)保険)
→ 塗装業者の加入団体、組合が保証するサービスです。
主に塗装業者が倒産、もしくは何らかの要因で保証ができない場合に利用可能です。
保証内容は、加盟団体、組合ごとに異なります。
こちらの場合も内容を確認し、保証書はもらっておきましょう。
その他に、保証で確認しておいた方が良い箇所は以下の4つです。
● 対象箇所
保証がどの箇所なら対応してもらえるのかを確認しましょう。
● 工事内容
保証が受けられるのはどういった工事内容か確認しましょう。
一般的に受けられるのは、塗装の剥がれや浮きによる塗り直し、シーリングなどです。
● 破損や劣化状態
どのような破損、劣化のときに保証を受けられるか確認しておきましょう。
● 保証期間
保証期間は長ければ良いというわけではありません。長い期間を設定している業者は
顧客欲しさに長めに設定している可能性があります。
塗料の耐用年数は特殊なものを除くと約10年のものが多いです。
そのため、保証期間も同じか少し短いものが適切な保証期間と言えます。
まとめ:外壁塗装業者を選ぶ際には「価格の透明性」が見えるかがポイント
外壁塗装業者を選ぶときに大事なことは、「価格の透明性」です。
ぜひ、これまでに説明したポイントをチェックして、価格の理由が明確であるか、
適正な価格なのかを見極め、「価格の透明性」があるかを見てみてください。
おさらいですが、チェックするポイントは5点ありました。
① 適切な劣化診断をしてから見積もりをしているか
② 素人にもわかる言葉で外壁の状況を説明してくれるか
③ 見積もりが詳細まで書かれているか
④ 飛び込み営業・過大な値引き額・急かす契約でないか
⑤ 契約完了後に追加工事を要求してこないか
上記のポイントを参考に、悪質業者でないかチェックしてみましょう。
また、良い外壁塗装業者を選ぶコツとしては下記の様なものがありました。
① 相見積もりを取る(即決は絶対にしない)
② 施工実績を確認する(施工後の写真やお客様の声など)
③ 丁寧な対応・分かりやすい説明をしてくれるかチェックする
④ 質問に対して具体的な回答してくれるかを確認する
⑤ 資格保有・許可済みの業者であるか確認する
⑥ アフターフォロー、保証内容等がしっかりしているかを確認する
これらを知っておけば、外壁塗装工事で失敗するリスクは軽減できます。
不明な部分は質問して、納得した上で業者を選んでいただくことが大事です。
ぜひ、ご自身に合った外壁塗装で、理想のリフォームを行いましょう。