坂下リライフ

屋根カバー工法費用相場とメリット・デメリットを徹底解説

屋根のメンテナンス時期だけど、屋根の葺き替えは費用が高くなるから塗装にしようか迷っている・・・。現在の屋根の上に新しい屋根を重ね葺きする方法もあるらしいけど費用はどのくらいかかるのか。

このように悩んでいませんか?

現在ある屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事を屋根カバー工法といいます。屋根カバー工法の使用材料、ガルバリウム鋼板等は耐久性も高く、メンテナンススパンが長いためコストパフォーマンスも優れています。

原則として「瓦」以外の屋根への施工が可能で、費用も屋根葺き替え工事より安価なためとても人気がある屋根メンテナンス方法だと言えます。

そこで今回は屋根カバー工法についてお話しします。また屋根カバー工法のメリット・デメリットや工事検討のタイミングについてもお話ししますので、どうぞ最後までお読みください。

屋根 カバー 工法とは

屋根カバー工法とは現在の屋根の上に防水シートを敷き込み、新しい屋根材を重ねる工法を言い、現在の屋根を剥がすことなく耐久性の高い屋根材を施工可能であり、屋根葺き替え工事より安価というメリットがあります。

しかし、現在の屋根に雨漏りや大きな修復が必要な場合、屋根カバー工法施工後の対処が困難になりますので、施工前の調査が極めて重要になります。

また、現在の屋根にノンアスベスト屋根材を使用している場合、塗装などによるメンテナンスができないため屋根全体の葺き替えか、屋根カバー工法が有効と言えます。

屋根カバー工法は現在の屋根の上に屋根材を被せることで、雨や紫外線などの外的要因による影響も軽減してくれますので、屋根メンテナンスの費用を抑えたいのであればおススメの工事と言えるでしょう。

とても人気のある屋根カバー工法ですが、全ての屋根に施工できるわけではなく、屋根材が瓦の場合は施工不可になりますので、現在の自宅屋根材料の種類を事前に把握しておくことをおススメします。

屋根 カバー 工法費用相場

屋根カバー工法は屋根施工業者にも違いがありますが、一般的な費用相場があります。

屋根カバー工法に使用する材料はガルバリウム鋼板等が多く耐久性も高くなりますが、一般的なスレート(コロニアル等)より金額は高くなりますので心に留めおきましょう。

屋根カバー工法に費用相場は1㎡あたり1万円前後で足場架け費用10~15万円が加算され、状況によりますが工事総額は100~200万円ほど見ておくと良いですね。

【屋根カバー工法費用内訳】

  • 足場架け工事:10~15万円
  • 新規屋根材:ガルバリウム鋼板の場合10,000円/㎡
  • 雪止め・その他板金工事:5,000円~11,000円/㎡
  • 防水シート(下葺き・ルーフィング):500円~1,500円/㎡
  • その他:下地交換(構造用合板・野地板等)1,500円~2,500円/㎡
  • 諸経費:工事費用の5~10% ※屋根工事業者により異なる

※一般工事費参考
屋根カバー工法の費用相場は正方形の建物で単純な屋根構成であることを想定しており、建物形状や現在の屋根の状況によっても大きく変わりますので注意が必要です。

屋根 カバー工法失敗を回避するために「メリット・デメリット」を知る

屋根カバー工法は基本的に解体工事がないため葺き替え工事より費用が安くなりますが、メリット・デメリットもありますので、事前に把握しておくことで「屋根カバー工法での失敗」を防ぐことも可能です。

【屋根カバー工法のメリット】

  • 断熱性・遮音性・防水性アップ
  • 工事費用が葺き替え工事より安価
  • 工期が比較的短い
  • 周囲へのトラブル(騒音・ホコリ被害)が少ない
  • アスベスト屋根材にも対応可能

屋根カバー工法は現在の屋根に、軽く耐久性の高い材料を重ね張りしますので直射日光による温度の上昇を防ぎ、防水性も高くなります。また、基本的に解体工事がないため音やゴミ、施工によるチリやホコリも出にくいため、ご近所にも影響が出にくいのもメリットです。

現在の屋根がアスベスト材使用の屋根材の場合、屋根葺き替え工事の解体では人体による影響や有害物質の拡散、屋根材処分費用が高額になりますが、屋根カバー工法であれば解体がないので問題点をクリアできます。

【屋根カバー工法のデメリット】

  • 既存屋根の雨漏り発生の対応が難しい
  • 火災保険(屋根修繕費用)が申請できない可能性がある
  • 瓦屋根には対応できない
  • 耐震性に影響が出る
  • 屋根補修が広範囲に及ぶ場合は対応ができない

メリットがとても多い屋根カバー工法ですが、デメリットもありますので注意が必要です。屋根カバー工法は一言で言えば「悪い見た目に綺麗なカバーをする」ということであり、既存の屋根は現況の状態で残ります。

屋根カバー工法での最大のデメリットは現在の屋根に重大な問題があり雨漏りしている場合、屋根カバー工法で施工しても雨漏り自体は残ったままということです。つまり、外観上は綺麗になっても内部では雨漏りが発生している状態なわけですね。

大規模な雨漏り修理が必要なケースでは屋根カバー工法より、葺き替え工事の方が良い場合があることも頭に入れておきましょう。

屋根カバー工法は現在の屋根が「瓦」である場合、対応ができないのでご注意ください。屋根カバー工法は表面が平坦な屋根向けの施工方法なためです。

また、現在の屋根の上に屋根材を重ねると屋根が重くなるため、建物の耐震性に影響が出ることも考えられます。しかし、屋根カバー工法に使用する鋼板系材料は比較的軽量のため、耐震性に対し過度な心配はしないでも良いでしょう。

屋根修理工事には「火災保険」が適用されますが、屋根カバー工法の工事で火災保険は適用されません。火災保険適用の考え方は現況の屋根を同じ材料で修理した場合、または同じ材料で屋根葺き替え工事をした場合の適用とすることに基づいています。

屋根カバー工法にはメリット・デメリットがありますので、自宅の状況や予算に合わせ工事を検討してみましょう。

屋根 カバー工法種類【材料別紹介】

屋根カバー工法を施工する場合、軽い屋根が基本となります。

ガルバリウム鋼板エスジーエル鋼板ジンカリウム鋼板
費用相場5,000円~10,000円6,000円~10,000円8,500円~15,000円
耐久年数25年~35年30年~50年30年~50年

屋根カバー工法に使用する材料で割合が多いのは「ガルバリウム鋼板」で、製品の種類も豊富です。ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、塗装によるメンテナンスも不要なため長期間、建物の美観を保つことが可能です。

屋根カバー工法による屋根材の種類は屋根工事業者から十分な説明を受け、ご自宅に合った材料を選択すると良いでしょう。

屋根カバー工法検討のタイミング

屋根カバー工法検討のタイミングは現在の屋根のメンテナンス時期が基本となります。

【屋根カバー工法検討タイミング目安】

  • 屋根全体の退色
  • 屋根全体に割れ・欠けが広がっている
  • 屋根にコケやカビが繁殖し根付いている
  • 屋根材劣化によりフカフカする

現在の家の屋根材がカラーベスト、コロニアル等の屋根材であれば10年前後がメンテナンスのタイミングになります。しかし、建物の環境や状況により屋根材の劣化は様々なため特定の症状が見られたら、それがメンテナンスの時期と言えるでしょう。

屋根全体の色が退色すると防水性能が著しく劣化し、屋根材も割れやすくなります。

屋根の状態が著しく劣化し、屋根全体にひび割れや欠けが広がっていて、すでに雨漏りしているのであれば雨漏り修理の上、屋根カバー工法での施工か、葺き替えが必要です。

屋根カバー工法を検討するタイミングは屋根全体に劣化が見られ、築10年以上経過している建物であるのが一つの目安になります。

屋根の劣化状況は屋根工事業者へ点検依頼することが望ましく、自己判断のまま放置すると大規模な修理が必要となることもありますので、日頃から屋根の状態を意識して見ておくことをおススメします。

屋根カバー工法工事費が割高になるケース

屋根カバー工法の費用は「単純な屋根」であれば、一般的な費用相場にて施工が可能ですが家の形状や屋根形状により工事費用が割高になるケースもあります。

屋根形状が複雑(多数の屋根の組み合わせ)になると、屋根材を組み合わせる板金部材が多くなり、屋根材加工による数量の増大などで屋根カバー工事費用が高くなります。

また、建物形状や敷地形状により足場架け数量の割り増しや急勾配屋根による屋根足場の設置など屋根本体工事以外の費用も割高になることも覚えておきましょう。

屋根カバー工法工事費用は屋根工事業者による違いも出ますので、信用のおける業者に屋根調査、詳細な見積もりを提出してもらい判断すると良いですよ。

屋根カバー工法で安心と安全を手に入れましょう

屋根メンテナンスは塗装工事、屋根カバー工法、屋根葺き替え工事などで、それぞれメリット・デメリットがあります。

屋根全体の外観が美しくなるのは塗装、カバー工法、葺き替え工事全てに共通していますが、塗装によるメンテナンスは屋根材の耐久性はアップしませんし、屋根全体の葺き替え工事は費用も高く、工事期間も長くなります。

屋根カバー工法は工事期間が一週間程度で、解体工事がないため周囲への影響も最小限で済み、費用は屋根葺き替え工事よりも安価です。

また、屋根カバー工法で使用される代表的な材料であるガルバリウム鋼板は耐久性も高く、割れや欠け、落下などの危険もないためとても安全と言えます。

一般的な屋根のメンテナンスサイクルは10年前後になりますが、屋根カバー工法で使用するガルバリウム鋼板等は20年以上の耐久性がありますので、長い目でみればコストパフォーマンスは非常に高いと言っていいでしょう。

自然環境による影響が多い日本で施工性が良く軽く耐久性の良いガルバリウム鋼板系を使用する屋根カバー工法で施工し、安心と安全を手に入れてみませんか?

この記事の作成について

有限会社 坂下リライフ

一般建設業許可証「東京都知事許可(般・1)第150862号」
RECACO加盟 国土交通省 『住宅リフォーム事業者団体登録制度』

創業より外壁塗装・屋根塗装・リフォーム工事3,000件に携わってきました。
その経験を生かして、これから外装工事を検討されている方へ向けて
分かりやすく、正確な情報をお伝えすることを心がけております。
数年に一度の外装工事で失敗して悲しい思いをしない為にも、
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執筆:坂下リライフ専属WEBライター/1級建築士
執筆補佐・監修:有限会社坂下リライフ

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